CO2の削減に効果が高いものは何だろう

節電で電気使用量と電気料金はどれくらい減らせるのか

地球温暖化対策として多くの方が日常取り組んでいる節電の効果を見てみます。

CO2削減に向けて今やエアコンは一家に複数台設置しているお宅も珍しくはありません。
よく、節電のためにエアコンの設定温度を夏は28℃に、冬は20℃にすることが推奨されていますが、これを行うことでどのくらいの電気料金やCO2の削減につながるのかを理解されている方は少ないのではないでしょうか。
エアコンを例に電気使用量の削減効果を考えてみます。
例えば、外気温31℃の時、エアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27℃から1℃上げて1日9時間使用した場合、年間で約30kWhの削減になります。
これを電力料金に換算すると、約780円の削減になります。

電気使用量とCO2の関係は

電力会社によって、必要な電気を発電するための火力や水力などの電源構成は違いますし、火力発電でも石油、石炭、LNGといった発電のための燃料の割合も違います。
その違いを元に、1kWh当たりのCO2排出量を算定したCO2排出係数があります。これは、各電力会社ごとに算出されているものですが、東京電力エナジーパートナー株式会社を例にとると、2021年度のCO2排出係数は、
  0.452 kg-CO2/kWh
となっています。
先ほどエアコンの例で、年間の電気使用量削減は30kWhですから、
30kWh × 0.452 kg-CO2/kWh = 13.56kg
のCO2削減効果に換算することができます。
CO2削減量の重さで言われてもなかなかピンと来ないと思いますが、これがどれくらいの効果をもたらすか分かりやすい事例があります。
杉の木が1年間に吸収するCO2の量は平均14kgと言われています。
そうなりますと、エアコンの夏の節電では杉の木1本が1年間吸収するCO2削減量と同じ効果になります。

CO2削減効果が大きい対策は

エアコンの例で約30kWhの削減というお話をしましたが、 3人家族が年間で使う電気は平均4,600 kWh(東京都環境局公式サイトより)ですから、全体から見れば削減量は大きくありません。
それではもっと大幅に削減できる対策はないでしょうか。
私の自宅に太陽光発電設備を導入し、効果はどれくらいか実際に体験しています。
当家はエコキュートという深夜の電力でお湯を沸かしていますが、それでも深夜(23
時から翌7時)を除いた電気使用量で見ると、昨年夏の3ケ月(7~9月)では60%削減になっていました。
3人家族が年間で使う平均電気使用量4,600 kWhにこの削減率を当てはめると、削減される電気使用量は2,760kWhとなり、
 電気料金は、71,760円の削減
 CO2は、1,248gの削減
となり、杉の木に換算すると89本にもなります。